くず桜の思い出

初めて、ある方のお宅に訪問した折のこと。

私は、とても緊張していました。

新幹線で1時間半ほどの駅で降り、ドアが開いた瞬間、

盆地特有のモワッとする蒸し暑さ。

 

でも。

山が綺麗。

緑の濃さが違う・・・。

都会にはない豊かな自然。

 

そして、ローカル線に乗り換え、とある駅から徒歩で10分ほど。

林檎園をぬっていきます。

 

玄関で出迎えて下さって、床の間のある居間に通されました。

夏用のイ草の香る座布団に座っていると、

お煎茶と、【くず桜】が運ばれて来ました。

 

庭園からは、気持ちの良い風が部屋に入ってきます。

風鈴の音がかすかに聞こえてきます。

 

そして、口の中でとろける【くず桜】は、緊張した私の心を

ホッとさせてくれました💛

甘くて柔らかくて、透明感のある、夏・・・といえば、

思い出すのは【くず桜】。

 

今年も行きつけの和菓子屋さんの店頭に並んだ【くず桜】。

早速、求めて自宅でお茶の時間に。

過ぎ去った夏の思い出が、またよぎりました。